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投稿日:2024.3.4

矯正の歴史~10年前と今の矯正の違いは?~

こんにちは!
横浜駅西口から徒歩3分の歯科矯正専門医院、横浜駅前歯科・矯正歯科です。
いつも当院のブログをご覧いただきありがとうございます☆
矯正 歴史 表側 裏側 マウスピース インビザライン
歯列矯正はいつからどのようにして始まったのかご存じでしょうか?
最近ではプラスチック素材のマウスピースを装着するマウスピース矯正が流行していますが、実はマウスピース矯正が普及し始めたのはごく最近のことです。

この10年で歯列矯正の歴史が大きく変化しましたが、10年前はどのような矯正方法が行われていたのでしょうか。
歯列矯正の歴史について詳しくお話していきたいと思います。

歯列矯正のはじまり

矯正 歴史 表側 裏側 マウスピース インビザライン乳歯から永久歯に生え変わる際に歯列が乱れている場合、指で押して正しい位置に戻すように指導されていました。

古代ローマやギリシャ時代から矯正装置の存在は確認されており、ローマの医師が歯の矯正について言及したことが歯列矯正のはじまりです。
しかしその後、ギリシャの医師が歯並びや噛み合わせだけでなく子供の顎骨から頭蓋の成長発育や、歯や顔の奇形について言及されました。
この時代からホワイトニングやインプラントが存在しているようなので、当時から歯の意識が高いことがわかりますね。

現在のように矯正装置を使用した歯列矯正は1700年頃から始まりましたが、既にギリシャの医師たちは矯正治療の可能性を見出していたようです。

歯列矯正の歴史

1700年初期に「近代歯科医学の祖」と呼ばれるピエール・フォシャールにより「歯科矯正学」が進展していきます。

ピエール・フォシャールは歯科医学についての教科書を出版しており、2冊目には歯石取りの重要性など、歯周病についての記載されていました。
そして現代の矯正治療の基礎となる治療法を生み出したのは1900年代にアメリカで「歯科矯正の父」と呼ばれたエドワード・アングレイという歯科医師です。

エドワード・アングレイ医師は不正咬合の分類やそれぞれに適応した治療法を確立し、歯科矯正学の塾を創立した人物でもあります。
当時の矯正装置を改良して開発したのが「エッジワイズ法」で、後に表側に装置をつけるワイヤー矯正の基礎となっています。

そして「エッジワイズ法」が開発されて約25年後に登場したのが、オーストラリアの矯正歯科医によって開発された「ベック法」です。
エッジワイズ法は強い矯正力で歯を動かしていく方法ですが、ベック法はその反対に弱い矯正力で歯を動かす概念に基づいています。

そのため、エッジワイズ法と比較すると歯の複雑な移動や微調整などが苦手な治療法になるので、ベッグ法を取り入れる歯科医院は多くありませんでした。

しかしのちにエッジワイズ法に大きな影響を与え、さらにマウスピース矯正に似た部分があるので、2種類とも現代の歯科矯正の始まりとなっていることがわかります。

日本の矯正の歴史

日本に治療法が伝わったのは、エッジワイズ法の開発者エドワード・アングレイが設立した塾を卒業した日本人からです。
日本に伝えられた後、医師たちにより改良に改良を重ねて現在の矯正治療法を確立しました。

その後1960年代に日本人の藤田欣也により「裏側矯正」が開発されたのです。

当時からアメリカは歯科への意識が高く歯列矯正が発展していたので、アメリカでも開発が進みましたが難易度が高く専門性が高いことや、目立つ矯正装置に抵抗がないことからあまり人気は出ませんでした。

しかし反対に日本人やアジア人は表側につける矯正装置に抵抗があり、ニーズが合っているので、裏側矯正は人気の治療法になりました。
開発は進み現代でも人気の矯正方法ですが、やはり裏側に装着するには技術を要するので、専門性の高さは必要です。

10年前と現在の違い

その後も医療に加え技術も進化し続けて、矯正治療もこの10年で大きく変化しました。

)デジタル技術の進化

まずはデジタル化が加速し、矯正治療だけでなく歯科医療の技術が向上しました。
補綴に関しては、3Ⅾカメラで治療箇所を読み込ませコンピューターが設計し、機械が3次元切削を行うCAD/CAMシステムが2014年から一部の歯に限り保険適用で導入されました。

CAD/CAM冠はレジン(プラスチック)とハイブリットからなるハイブリットレジンという素材で白い被せ物なので、数年前まで保険治療では銀歯でしたが、CAD/CAMを採用すると白い歯が実現できるようになったのです。
さらに2020年にはCAD/CAM冠が適用できる範囲が増え、ほぼ全ての歯が可能になりました。
現在は貴金属の高騰によりCAD/CAMを用いた補綴が広く普及され、補綴物の精度の向上や技工の簡便化に繋がります。
そして矯正治療でも3Ⅾデジタル機器を用いて検査・診断を導入することで、より精密で正確な治療を行うことが可能です。

肉眼や平面のデータだけでは分かりにくい骨や歯根などの状態を、3Ⅾで見える化することで口腔内をより詳しく把握でき、歯の移動のシュミレーションや患者さんに視覚的に説明できるので、わかりやすく治療計画を立てることができます。

)マウスピース矯正の普及

マウスピース矯正

そして近年は、3Dデジタルシステムを用いて装置を作製する「マウスピース矯正」が人気で、矯正治療を始める方が増加しました。
マウスピース矯正はスキャンしたデータを基に3Ⅾプリンターで造形していくので、1枚で0.25㎜ずつ歯が動くように計算されています。
弱い力で少しずつ移動させるので歯にかかる負担は最小限で、痛みが少なく正確に歯を整えることができるので、医療のデジタル化を最大限活用している治療といえます。

透明なマウスピースで取り外しが可能な画期的な治療法は実は、10年も前から日本に導入されていたのです。
マウスピース矯正の歴史は、1997年にアメリカのアライン・テクノロジー社でマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置として「インビザライン」が開発されました。

2年後の1999年にアメリカで治療が開始され、遅れること7年後の2006年、日本でもマウスピース矯正が開始されました。
しかし当時は今よりも精度が劣っており、症例数も少なく、さらに対応できる歯並びに限りがあったので、取り扱っている歯科医院は少なかったです。

現在はほとんどの歯並びを対応できるくらいにまで精度が格段に良くなりました。
近年マウスピース矯正の症例が激的に増えた理由が技術の進化だけでなく、20年保有していたインビザラインの特許が切れたので、いろんなメーカーがマウスピース矯正に参入してきたのも1つです。

10年前は歯列矯正と言えばワイヤー矯正の表側か裏側のみの選択肢でしたが、現代は審美性に優れたマウスピース矯正も増えました。
デジタルなマウスピース矯正だから歯科医師いらずなところもありますが、歯列矯正の成功には歯科医師の実績や知識はすごく重要になってきます。

中には矯正治療の経験のない歯科医院でもマウスピース矯正を取り扱っているところもあるので、正確性が高いとは言え、医師や病院の見極めは大切です。

現在は装置を使用して矯正治療を行うことが当たり前ですが、そこには今日まで行われてきた歯科矯正への研究や開発、改良を重ねた装置により成り立っています。
歯列矯正について意外と昔から行われていたことや、数々の改良を重ねてきたことなど歴史を知るきっかけになれたでしょうか。

時代とともに食生活が変化することによって、人類の骨格・歯並びも変化すると思われますが、今後も医療・技術の発展により、歯科矯正はさらに進化を遂げるでしょう。
矯正治療の可能性は広く、もしかしたら新しい治療法が開発されるかもしれませんね。

最後に

歯並びが気になり始めた方は、まずは横浜駅前歯科・矯正歯科へご相談ください。
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