投稿日:2023.10.2
受け口を治すチンキャップって何?
こんにちは!
横浜駅西口から徒歩3分の歯科矯正専門医院、横浜駅前歯科・矯正歯科です。
いつも当院のブログをご覧いただきありがとうございます☆
矯正治療の際の矯正装置はワイヤー装置やマウスピース以外は一般的にはあまり知られていないかと思います。
実際は症例に合わせて様々な矯正装置が存在しています。
お子様の受け口矯正装置として適用される「チンキャップ」はご存じですか?
下顎骨の成長の抑制や下顎の歯を後方に移動させる矯正装置で、成長期のお子様に非常に効果的です。
本日はそんなチンキャップのご紹介と大人でも有効な治療方法について解説していきます!
目次
チンキャップの適応年齢
チンキャップの対象年齢は顎骨の成長期の9~15歳ごろのお子様に有効で、下顎が急速に成長する中学生の年齢に使用すると最も効果的です。
下顎骨の前方への成長を抑制することが目的の装置なので、骨の成長が完了している年齢の方には効果は期待できません。
顎の成長を利用して治療を行うため、基本的に大人の受け口矯正には適用されることはないです。
チンキャップの装置について
チンキャップとは、顎に固定するチンキャップと頭に固定するヘッドキャップ、この2つを繋げるゴムバンドから成り立っている矯正装置です。
ゴムバンド部分を調整することによって、チンキャップに力が加わり下顎がヘッドキャップの方へ引っ張られるので、前方への成長を抑制する仕組みになります。
上顎骨の成長は10歳前後がピークに対して、下顎骨の成長は15歳ごろの身長が大きく伸びるタイミングでピークを迎えるため、上顎骨の成長完了後もチンキャップを装着しなければなりません。
さらに下顎骨の成長期間に使用をやめてしまうとすぐに後戻りしてしまうので、長期間の使用が必要になります。
チンキャップは取り外しが可能な装置ですが、1日に10~12時間以上装着する必要があるので、基本的には睡眠時も含めおうち時間は装着してもらいます。
使用方法は比較的容易で、お子様1人で着脱可能なことはメリットですが、顎の成長が完了するまでの長期間、毎日使用することはお子様にとってストレスになるでしょう。
お子様の協力がすごく重要ですが、顎の成長には個人差があり必ずしも十分な結果が得れるとは限りません。
実際には受け口が改善されたケースも多く報告されていますが、顎関節に負担がかかり痛みが出ることもあるので、最近では取り扱っていない歯科医院もあります。
大人になってから外科手術を受ける可能性を少なくするために、チンキャップを検討している方は取り扱っている歯科医院にて相談し、納得してから治療を進めましょう。
大人の受け口の治療法
成人になるまでの顎の成長期は個人によって異なりますが、一般的には10代が顎の成長が最も活発な時期とされています。
この時期に顎の成長を利用した矯正方法は効果的ですが、成長が完了すると受け口の治療方法は限られてきます。
1.ワイヤー矯正
最も一般的な歯列矯正治療で、歯にブラケットとワイヤーを固定し、少しずつ動かしながら歯並びや咬み合わせを改善していく方法です。
受け口の場合咬み合わせが逆になっているので、上顎の歯列を前方に出し、下顎の歯列を後方に下げて正確な位置を確保します。
ワイヤー矯正は固定式なので見た目の問題や日常生活にも影響が出ることが多いです。
そして歯を綺麗に並べるスペースを作るために、抜歯が必要な症例もありデメリットを感じやすいですが、適応症例が多く効率よく歯を動かせます。
治療期間は歯並びの状態によって異なりますが、大体1年~3年ほどかかり、さらに矯正治療が終了後は後戻り防止のために、保定装置を着けるので長期間の治療になります。
短期間で改善を希望される方には向いていませんが、自分の歯を生かすので歯の健康にとっては良い治療です。
2.マウスピース矯正
透明なマウスピースを装着し、約2週間ごとに新しいマウスピースと交換して歯を動かす方法です。
審美性に優れているので矯正していることがわかりにくく、取り外しが可能でお食事や歯磨きなど日常生活に影響がないことが特徴です。
計画通りに動くように設計された少しずつズレのあるマウスピースを、一度通院した際に数枚もらえるので2か月の通院頻度となります。
適応症例はワイヤー矯正より少なく、難しい症例には適応していないので比較的軽度な受け口に向いています。
3.セラミック矯正
歯並びが原因の受け口の場合、矯正装置の見た目や長期の治療がデメリットに感じている方に向いている治療法です。
セラミック矯正はご自身の歯を削り、その上からセラミックの差し歯を被せて綺麗に並べて受け口を改善していきます。
審美性の回復が目的なので数か月で改善できますが、歯の健康や寿命という点では劣ります。
健康な歯を削り生えている位置は変わらずにセラミックを被せるので、歯軸に負担がかかりトラブルがでやすいです。
4.外科手術
重度の受け口の場合、矯正治療のみで治そうとすると歯にかかる負担が大きく、歯根吸収や後戻りのリスクが高くなります。
また骨格が原因の受け口の場合は歯列矯正だけだと歯並びやバランスは治りますが、根本的な骨格の改善はできないので、外科手術を提案されるでしょう。
骨格が原因の場合は「顎変形症」という診断名がつくので健康保険が適応され、手術費用が矯正治療費より安くなります。
手術ということでなかなか一歩が踏み出せなかったり、お仕事の都合上手術の日程を合わせるのが難しくハードルが高く感じますが、比較的安く短期間で確実に改善できるのはメリットです。
受け口の外科手術には以下の通り、いくつかの種類があります。
□下顎骨切り術(セットバック法)
全身麻酔を使用しますが入院の必要がなく、口腔内からアプローチするので傷口も目立たない治療です。
骨格性の受け口だけでなく、矯正治療のみでは満足いく結果にならなかったり、Eラインを整えたい方にも向いています。
手術内容は、下顎の左右の前から4番目の歯を抜歯し、抜いた部分の骨ごと切除します。
切除した4番目の隙間を埋めるように、前歯部分を後ろに下げて奥歯部分の下顎骨とチタンプレートで固定します。
2時間ほどで手術は終了し、術後のダウンタイムはありますが比較的短く、2週間ほどで腫れや赤みが落ち着いていきます。
□下顎枝矢状分割術
分割した骨が自由に移動させやすいので、適応症例は受け口に限らず多くの顎変形症に適用される手術です。
手術内容は両側の奥歯の後ろから下方へ斜めにカットし、下顎骨を外側(歯列側)内側(顎関節からエラ側)2枚に分割します。
外側を後方に下げ内側の下顎骨とチタンプレートやボルトで固定します。
そのため顎が動かせず、固定期間は流動食になり会話も困難で日常生活に支障をきたすため2週間ほど入院になるので、十分な日程の確保が必要になるでしょう。
□下顎枝垂直骨切術
上記の下顎枝矢状分割術と基本的には同じで、下顎の移動量が多い症例や顎関節症、下顎の神経が浅い位置にある場合に優れている手術です。
骨接合部のプレートの固定はないので顎関節の負担は比較的少ないですが、術後は両側の上下奥歯付近の歯茎にボルトを8か所ほど埋入し、ゴムなどで1か月程顎間固定を行い咬合の安定を図ります。
外科手術はダウンタイムもあり術前・術後の不安は大きいですが、終われば綺麗なお口元に綺麗なEラインが手に入れられるでしょう。
受け口を改善すると顔立ちも整い印象を大きく変えれるので、自信に繋がります。
歯並びが気になり始めたら、まずは横浜駅前歯科・矯正歯科へご相談ください。
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