投稿日:2023.4.17
歯の矯正と楽器演奏を両立させるには?楽器、歯並び、矯正の深~い関係!?
こんにちは。横浜駅前歯科・矯正歯科、歯科衛生士の浦木です。
新学期が始まり、吹奏楽部に入部した新入生や、コロナ禍の楽器ブームの影響で楽器を始めた、またはこれから楽器を始めようとお考えの社会人の方もいらっしゃると思います。
その中で、「歯並びを治したいけど、矯正しながら楽器って吹けるの?」
「歯並びが良くなると演奏が上手くなるって本当?」など、
歯の矯正と楽器演奏の両立に関して疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、管楽器(ホルン)、鍵盤楽器(ピアノ、エレクトーン)、弦楽器(アコースティックギター)の演奏経験と、裏側矯正・マウスピース矯正の治療経験をした私から、楽器と歯並びと矯正治療の関係について解説します。
目次
楽器で歯並びが悪くなる?
主にサックスやクラリネットなどのシングルリード楽器や、バイオリン、ビオラ等の演奏により歯並びや噛み合わせが悪くなる可能性があります。
サックスやクラリネットが歯並びに及ぼす影響
サックスやクラリネットなどのシングルリード楽器は、テコの原理で上の歯を外側へ、下の歯を内側へ押し、上顎前突(じょうがくぜんとつ)いわゆる出っ歯になりやすくなります。
また、上下前歯には垂直的な力もかかるため、開咬(かいこう)といって奥歯で噛んだ時に前歯が開いているかみ合わせにもなりやすくなります。
指しゃぶりと同じ原理ですね。
バイオリンやビオラが歯並びに及ぼす影響
バイオリンやビオラなどは、楽器を顎で挟んで弾くので、顎がずれてかみ合わせが悪くなる可能性があります。
また、頬杖と同じような力がかかることによって、顎関節症を発症しやすくなる可能性も考えられます。
楽器が矯正治療に及ぼす影響
サックスやクラリネットなどのシングルリード楽器の演奏では、上顎前突(じょうがくぜんとつ)や開咬(かいこう)の治療で歯を動かす方向とは逆の力が加わるため、治療がうまくいかなかったり長引いたりする可能性が考えられます。
矯正治療が楽器演奏に及ぼす影響
使用する矯正装置や治療方法や治療経過時期にもよりますが、矯正治療は楽器演奏に少なからず影響を及ぼすと考えられます。
歯が動く痛みで吹けない
個人差はありますが、歯が動く痛みがある時は、歯に楽器を押し付けると痛くて思うように吹けないといったこともあります。
しかし、矯正中の痛みは一時的なものなので、数日で痛みを気にすることなく吹けるようになるでしょう。
口内炎が痛くて吹けない
表側に装置をつける場合、トランペットやホルンなどの小さいマウスピースを使う管楽器は、装置と唇の粘膜が擦れて口内炎が出来やすくなる可能性があります。
また、裏側に装置をつける場合でも、装置と舌が擦れて、タンギングの度に痛むことも考えられます。
装置が擦れて痛い時は矯正用ワックスで対応することが可能です。
矯正装置が楽器に当たる
上顎の裏側の矯正装置とサックスやクラリネットなどのシングルリード楽器が直接ぶつかる場合、思うように吹けない可能性があります。
シングルリード楽器奏者には、上顎の裏側矯正はおすすめしません。
アンブシュアの変化
日々歯並びが変わるため、アンブシュア(管楽器を演奏する際の口唇の状態やその機能)も日々変化します。
その為演奏しにくいと感じる事があります。
ウォーミングアップに時間をかける必要がありそうですね。
タンギングが難しいくなる
裏側に装置をつける場合は、タンギングに影響がでることが考えられます。
これも練習して慣れるしかないようです。
アパチュアコントロールが難しくなる
表側矯正の場合、アパチュア(息が出る唇の穴)のコントロールが難しくなります。
特にフルートの上級者で問題になることがあるようです。
スペースから空気が漏れる
歯を抜いたり削ったりしてできたスペースから空気が漏れることにより、演奏のしにくさを感じる事があります。
これはスペースが閉じていくとともに改善していきます。
楽器と歯列矯正の上手な付き合い方
歯や顎に負担の少ない楽器を選ぶ
これから楽器を始める方は、パーカッション(打楽器)や鍵盤楽器を選ぶことをおすすめします!
また、チェロやコントラバスなど、顎で楽器を挟む必要がない弦楽器も良いでしょう。
管楽器も、楽器の種類や矯正方法によっては少ない影響で演奏できるので、ぜひご相談ください。演奏に影響の少ない矯正装置を選ぶ
管楽器奏者は口を使って演奏するので、なるべく演奏に影響の少ない矯正装置を選んだ方が良いです。
マウスピース型矯正装置なら違和感が少なく、違和感があっても自分で取り外せるので、演奏への影響は少ないと言えるでしょう。
しかし、マウスピース型矯正装置はどんな症例にも適応できるわけではありません。
特に抜歯症例ではワイヤー矯正の方が適している事が多いです。
その場合、まずワイヤー矯正である程度歯並びを整えてからマウスピース型矯正装置で微調整をして仕上げる『コンビネーション矯正』を当院ではおすすめしております。矯正開始時期、調整時期を選ぶ
演奏会やコンクールなどを控えている時に矯正治療をスタートしたり、直前に調整すると、違和感や痛みで演奏しにくくなる可能性があります。
時期を選んで矯正治療を受けましょう。治療期間を長引かせない
来院の約束を守り、顎間ゴムなど指示通り使用し、歯磨きやかかりつけ医への定期検診などで虫歯や歯周病予防を行い、治療が順調に進むようにしましょう。あわせて読む»»治療期間が延びてしまう原因(内的要因)
あわせて読む»»治療期間が延びてしまう原因(外的要因)装置をカバーする
装置を矯正用ワックスでカバーすることにより、口唇粘膜を傷や口内炎などの痛みから守ります。
歯並びが良くなると演奏が上手くなる?
歯並びが良い方が、管楽器を演奏しやすいと言われています。
管楽器は正常な歯並びと顎の状態に合わせて製作されています。そのため、歯並びや噛み合わせが悪いと息が通しにくかったり、綺麗な音を出すための口の形が作れず上手く音が出ないということも考えられます。
音大在学中に裏側矯正を始めたフルート奏者さんのブログがとても参考になりますので、リンクを貼っておきます!
ぜひ参考にしてみてください。
🎵フルート奏者彩音さんのブログはこちら
当院の取り組み
当院では、矯正治療を行いながら、できるだけ快適に演奏できるよう、適切な矯正方法を選択し、一人ひとりに合わせた調整を行なっております。
楽器を始めようとお考えの方、楽器奏者で矯正をお考えの方は、ぜひ横浜駅前歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
演奏会やコンクールの予定に合わせて治療計画や治療スケジュールを立てるように、できる限りサポートします。
無料の矯正相談のご予約はこちらからどうぞ。