投稿日:2023.6.28
歯科矯正でワイヤーが歯を動かす仕組みとは?
目次
歯科矯正でワイヤーが歯を動かす仕組みとは?
「歯科矯正で歯が動いていく仕組みが気になります。どのようにしてワイヤーを動かすと、歯は動いて行くのでしょうか?」
この様に、歯が動く仕組みについて興味を持たれる方は多くいらっしゃいます。
今回は、ワイヤーが歯を動かす仕組みについて、詳しく解説いたします。
1.ワイヤー矯正治療とは?
2.歯を動かす仕組みを詳しく解説
3.歯は顎の骨の中をどう動くの?
こちらの順番でご紹介していきますね。
1.ワイヤー矯正治療とは?
ワイヤー矯正治療は、矯正治療の中で最もメジャーな矯正方法です。
歯の表面に、ブラケットと呼ばれるワイヤーを通すための装置を接着します。
ブラケットにメインワイヤーというある程度太さのあるワイヤーを通します。
そのメインワイヤーを結紮線(けっさつせん)という細いワイヤーでブラケットに結びつけるなどして、固定をしていきます。
ワイヤーに力を少しずつかけて行き、現在の歯並びから見た目も噛み合わせも美しく整えて、理想の歯並びへと変化させていきます。
ワイヤー矯正は、幅広い症例に適応することができる矯正治療です。
歯列不正と言って、歯並びが悪い状態が軽度な症状を治療することも可能です。
顎の骨を切って、お顔の骨格から治療が必要な重度の歯列不正にまで対応することが可能です。
2.歯を動かす仕組みを詳しく解説
ワイヤー矯正で歯を動かす仕組みについてお伝えします。
・メインワイヤーが形状記憶合金
メインワイヤーは、ただのワイヤーではありません。
実は、形状記憶合金なのです。
歯の表面につけたブラケットにメインワイヤーを通し、そのメインワイヤーを結紮線(細いワイヤー)やゴムで固定をします。
歯並びがガタガタしているところに合わせてメインワイヤーを通して固定をしていきますが、このメインワイヤーが元の形に戻ろうとする力を利用して、少しずつ歯に負荷をかけてキレイな歯並びへと誘導していきます。
・パワーチェーンやコイルを使用することも
メインワイヤーだけの力では矯正力が足らない場合も多くあります。
そこで、メインワイヤーに加えてパワーチェーンやコイルを使用する方法もあります。
パワーチェーンとは、ゴム(エラスティックゴム)が連結しているチェーン状のものです。
このパワーチェーンは、ゴムが収縮する力を使って、歯と歯の間が離れている際に引っ張る強さを利用して、隙間を閉じる効果があります。
コイルはメインワイヤーに通して使用します。コイルはパワーチェーンとは力の作用が逆で、伸びて開こうとします。
コイルが伸びて開こうとする力を利用して、歯と歯の間を拡げる効果があります。
3.歯は顎の骨の中をどう動くの?
歯は顎の骨の中を少しずつ移動して行きます。
その移動方法について順番に説明します。
・歯根膜
歯は、顎の骨の中に埋まっていますが、ダイレクトに顎の骨に埋まっているわけではありません。
歯と顎の骨の間に、筋肉の膜のような歯根膜という薄い膜があります。
この歯根膜が、とても大切な役割を担っています。
食事をしたときに感じる繊細な歯触りの感覚をキャッチしますし、強く噛む時に圧がかかりすぎない様に調整できるのも歯根膜があるから歯が守られているのです。
・歯根膜が押されて顎の骨が吸収、再生を繰り返す
ワイヤー矯正で歯に力が加わると、移動させる方向に力がかかります。
そこで歯根膜が、移動方向へと圧迫をされて縮みます。
↓
圧迫されて縮んだ歯根膜が、元の厚みに戻ろうとします。
↓
歯根膜を元の厚みに戻そうとして、圧迫されている方向の顎の骨を溶かします。
↓
顎の骨が溶けた分、移動ができます。
↓
反対側の伸びて引っ張られた歯根膜が元の厚みに戻ろうとして、顎の骨にスペースができます。
↓
顎の骨のスペースに新しい顎の骨が再生します。
この様に、少しずつ顎の骨の再生と吸収を繰り返しながら歯が顎の骨の中を歯根膜と共に移動をして行きます。
矯正治療で気になること、お悩みがございましたらいつでも横浜駅前歯科・矯正歯科までご相談ください。