投稿日:2024.12.6
矯正治療で歯が動かない!骨性癒着(アンキローシス)って何?原因と対策を徹底解説
こんにちは!
横浜駅西口から徒歩3分の歯科矯正専門医院、横浜駅前歯科・矯正歯科です。
いつも当院のブログをご覧いただきありがとうございます!
みなさんは「骨性癒着」という言葉をご存じですか?この骨性癒着は、矯正治療にも大きな影響を与える場合があります。骨性癒着の可能性がある患者様には、カウンセリングの段階からヒアリングを行っていることもあるような重要な項目です。一度骨性癒着が起こると、矯正治療が難しくなることも稀にあります。
今回のブログでは、歯の「骨性癒着」について詳しくご紹介させていただきます。
目次
骨性癒着とは何か?
骨性癒着とは、簡単にいうと歯根と顎の骨が癒着してしまう状態のことを指します。矯正治療を始めた際に、歯が全く動かないことがありますが、これは「骨性癒着」と呼ばれる状態が原因だと考えられます。
骨性癒着の原因
歯と顎の骨の間には、歯根膜と呼ばれる薄い膜があり、この膜がクッションの役割を果たすことで、歯はわずかに動くことができます。矯正治療では、その原理を利用して少しずつ歯を移動させることによって治療を行っています。
(*合わせて参照:ワイヤー矯正で歯が動く仕組みとは?どうやって歯を動かすのか徹底解説!)
しかし、外傷や炎症、歯周病などによって歯根膜が損傷すると、歯と骨が直接くっつき、骨性癒着が起こることがあります。
歯が動かなくなるメカニズム
骨性癒着が起こると、歯根膜が消失するため、矯正治療で歯に力を加えても歯が全く動きません。これは矯正治療の大きな障害となるだけでなく、歯周病や歯の喪失につながる可能性もあります。
骨性癒着の種類
骨性癒着には、完全な癒着と部分的な癒着があります。完全な癒着では、歯が全く動きませんが、部分的な癒着では、ある程度歯が動く場合もあります。
実際に歯が動くかどうかは、精密検査をしても見つけられないことがほとんどです。そのため、矯正治療開始後に骨性癒着が発覚するケースが多いのが現状です。
ですが、矯正治療前に可能性が分かっていると、対応がスムーズにできることもあります。どのような場合だと骨性癒着の可能性が高いのか、事前に知っておくことも大事なポイントです。
骨性癒着が起こるリスクが高いケース
1 外傷
歯への強い衝撃は、歯根膜を損傷し、骨性癒着を引き起こす最も一般的な原因の一つとなります。スポーツ中の衝突、交通事故、転倒などによる外傷が代表的な例です。特に、歯が歯槽骨に強く打ち込まれたり、歯根が折れたりした場合には、骨性癒着のリスクが大幅に高まります。
2 炎症
歯周病や根尖性歯周炎などの炎症は、歯根膜を破壊し、骨吸収を促進することで、骨性癒着を誘発します。慢性的な炎症は、歯周組織の破壊を進行させ、最終的に歯と骨が癒合してしまう可能性を高めます。
3 抜歯後の癒合不全
抜歯後の治癒過程において、歯槽骨が十分に再生せず、新たに生えてくる歯が骨に癒着してしまう場合があります。これは、抜歯窩の感染、骨欠損、または外科処置の際の誤操作などが原因となることがあります。
骨性癒着の症状と診断
骨性癒着している歯は、見た目は普通の歯とほとんど違いがありません。なので、見た目の違いで発見することはかなり困難です。
かといって、精密検査で発見することも難しい症状になりますが、以下の方法で確認している場合もあります。
症状の見分け方
骨性癒着の主な症状は、歯が全く動かなくなることです。矯正治療中に歯が思うように移動しない場合、骨性癒着を疑う必要があります。
診断方法
- 問診:歯をぶつけたり、歯周病にかかったことがあるかなど、過去の病歴や口腔内の状態について詳しく聞かれます。
- 視診:歯肉の色や形、歯の動きなどを観察します。
- 触診:歯の動揺度や、歯周組織の状態を触って調べます。
- 打診:歯を叩いて、その音や感触を調べます。骨性癒着している歯は、健康な歯と比べて硬い音がすることがあります。
- X線検査:パノラマX線写真やCTスキャンなどを行い、歯根と顎の骨の関係を詳しく調べます。
骨性癒着の診断の難しさ
- 初期段階では症状が分かりにくい: 骨性癒着の初期段階では、自覚症状がないことが多く、歯科医師でも見つけるのが難しい場合があります。
- 他の原因との鑑別: 歯の動きの悪さは、骨性癒着以外にも、咬合力が高い、歯周病が進行しているなど、さまざまな原因が考えられます。これらの原因と鑑別する必要があります。
骨性癒着は、矯正治療の成功を阻害する可能性のある深刻な問題です。上記の症状や診断方法を参考に、少しでも気になることがあれば、早めに歯科医師にご相談ください。早期発見・早期治療が重要です。
骨性癒着の治療法
残念ながら、骨性癒着が進行している歯は、通常の矯正治療で動かすことが難しく、抜歯が必要になるケースも少なくありません。しかし、骨性癒着が起きている箇所によって対応は異なります。気になる方は、まずは無料相談にお越しください!
骨性癒着の歯を抜歯した場合の治療
骨性癒着の歯を抜歯した場合、その後の治療として、矯正治療以外にもインプラント治療や補綴処置(ブリッジや入れ歯)が検討されます。
インプラント治療
インプラント治療は、失われた歯の根の部分を人工の歯根(インプラント)で補い、その上に人工の歯冠を取り付ける治療法です。
メリット
- 自然な見た目と機能が得られる。
- 残っている歯を削る必要がないことが多い。
- 長く使える。
デメリット
- 手術が必要で、費用が高い。
- 骨の量が不足している場合、骨移植が必要になる場合がある。
- 治癒期間が必要。
補綴処置
補綴処置には、ブリッジと入れ歯があります。
ブリッジ
- 失われた歯の両隣の歯を削り、人工の歯を橋のように架ける治療法です。
- メリット:自然な見た目、比較的費用が安い。
- デメリット:両隣の歯を削る必要がある、長期的には両隣の歯に負担がかかる可能性がある。
入れ歯
- 失われた歯の部分に人工の歯を取り付ける治療法です。
- メリット:費用が比較的安い、作製期間が短い。
- デメリット:違和感が大きく、食べ物が入れ歯の下に挟まりやすい、固定力が弱い。
治療法の選択
どの治療法を選ぶかは、患者さんの状態や希望、費用などを総合的に考慮して決定します。
- インプラント: 長く安定した状態を保ちたい方、自然な見た目と機能を求める方におすすめです。
- ブリッジ: 費用を抑えたい方、比較的簡単な治療法を希望する方におすすめです。
- 入れ歯: 短期間で治療を終えたい方、費用を抑えたい方におすすめです。
治療を受ける際の注意点
- 歯科医師との相談: 各治療法のメリットデメリットを歯科医師に詳しく説明してもらい、自分にとって最適な治療法を選びましょう。
- 複数の歯科医院で相談: 複数の歯科医院で意見を聞くことで、より客観的な判断ができます。
- 治療後のメンテナンス: インプラントや補綴物も定期的なメンテナンスが必要です。歯科医師の指示に従い、適切なケアを行いましょう。
骨性癒着により歯を失った場合、インプラントや補綴処置によって、再び快適な食事や笑顔を取り戻すことができます。治療法の選択に迷ったら、歯科医師に相談し、自分に合った治療法を選びましょう。
骨性癒着を予防する方法
骨性癒着を予防するためには、以下の点に注意することが大切です。
- 定期的な歯科検診: 歯周病や虫歯などの早期発見・治療により、骨性癒着のリスクを減らすことができます。
- 口腔ケア: 正しい歯磨き方法を心がけ、歯周病を予防しましょう。
- 外傷予防: スポーツをする際は、マウスピースを着用するなど、歯への衝撃を避けるようにしましょう。
- 矯正治療中の注意: 矯正医の指示に従い、定期的に歯科医院を受診しましょう。
まとめ
骨性癒着は、歯と顎の骨が癒着し、歯が動かなくなる状態です。矯正治療中に歯が全く動かない原因の一つとして知られており、治療を難しくする可能性があります。一度骨性癒着が起こると、歯周病や歯の喪失のリスクも高まるため、早期発見・早期治療が重要です。治療法としては、経過観察、外科手術、矯正治療、抜歯などがあり、患者様の状態に合わせて最適な治療法が選択されます。骨性癒着を予防するためには、定期的な歯科検診、口腔ケア、外傷予防が大切です。
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