投稿日:2023.6.6
重度の受け口はどうやって治す?
重度の受け口はどうやって治す?
こんにちは。
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
横浜駅前歯科・矯正歯科です。
皆さんは「しゃくれ」という言葉に聞き馴染みがあると思いますが、「しゃくれ」は下顎が前に突き出ている状態で下顎前突と呼ばれていて骨格に問題があり、遺伝によるものが多いです。
一方で「しゃくれ」と似ていますが違う意味を持つ「受け口」があります。
受け口ってどういう状態?
受け口は反対咬合とも呼ばれていて上顎の歯列より下顎の歯列が前に出ている状態で歯並びに問題があります。
両者とも下顎が前突している状態ですが、原因が歯並びにあるか骨格にあるかで大きく異なります。
そのためしゃくれは骨格異常なので治療方法は外科的手術が必要になってきますが、受け口は歯列矯正で改善できます。
しかし受け口でも骨格にも異常がある重度な受け口な場合は歯列矯正と外科治療が必要なケースもあります。
今回は重度の受け口の治療法についてまとめました。
ご自身やお子様に受け口の疑いがある方は、是非参考にしてみてください。
重度な受け口の治療法
顎の成長が完了した大人の治療法には、矯正か手術が必要になります。
1 矯正治療
基本的には上顎の前歯が下顎の前歯より後ろにあるので、上顎の前歯を前に動かします。
軽度の受け口の場合はそれだけで改善するのですが、重度の場合は反対咬合を改善しても下顎の突出感はあまり改善されません。
2 外科的手術
下顎の突出感を改善するために下顎の骨を削って後ろに下げる骨切り術を行います。
骨切り術には2種類あり、下顎前突のレベルによってどちらになるか決めます。
下顎セットバック
こちらは比較的軽度な下顎前突に適応される手術で、全身麻酔で行っていきます。
下顎セットバックは下顎の前から4番目の歯を抜歯する必要があります。
抜歯したその歯の根っこの先まで骨を切除し、その隙間を埋めるように前歯部を下顎骨ごと後ろにさげて医療用ワイヤーで固定します。
その時に顎先の突出感がまだ残っている場合は、顎先の骨も切除しきれいなEラインを形成します。
下顎枝矢状分割術(SSRO)
こちらは重度の下顎前突に適応しています。
下顎骨を矢状に分割して下顎を後ろに下げる手術です。下顎骨を前後左右に移動でき自由度が高いので、適応範囲が広く下顎前突以外にも開咬症や顎変形症にも対応してます。
骨切り術のダウンタイムは1ヶ月程ありますがお口の中からのアプローチなのでお顔の表面に傷跡は残りません。
まとめ
このように受け口やしゃくれなどの骨格異常は大人になっても治すことも可能ですが、できるだけ早く治療を開始した方が顎の成長期に正しい成長を促すと症状の改善が見込めます。
一般的に上顎の成長は10歳前後がピークと言われていますが、6歳ごろにはほとんど完了しています。
前歯が乳歯から永久歯に生えかわるころに適切な治療が出来れば、より少ない負担で受け口を改善できます。
また骨格が原因の場合は遺伝的要因が高いですが、受け口は日常生活の癖によって引き起こす可能性も考えられます。
幼少期から舌を下の前歯の裏側を押し出す癖があると下顎が前方へ突き出て受け口になることも…。
りラックス時の舌の正しい位置は上顎の天井についているのが理想です。
しかし最近では舌が下顎の前歯の裏側についている「低位舌」のお子様が増えています。
お食事を飲み込む際にも低位舌の場合、下顎の前歯を押して嚥下するので毎回500g程の力がかかると無意識のうちに毎日歯に負担がかかっています。
まずはこのような悪習慣を改善し、気付いた時から早めに治療を開始することをお勧めします!
当院へもお気軽にご相談ください。