投稿日：2023.5.10

ブラックトライアングルとは？

ブラックトライアングルとはその名前の通り、歯並びと歯茎の間にできる“黒い三角形”の隙間のことです。
隙間が黒く三角形に見えることから、このように呼ばれています。

ブラックトライアングルはなぜ出来るのか？？

①歯の形が関係しているから
②歯茎に負担をかけすぎているから
この理由を詳しく説明していきます。

①歯の形が関係している

1.前歯の形が逆三角形型で、厚みがなく細長い。

歯列矯正後にブラックトライアングルができる理由の１つ目は、歯の形がかなり影響します。
もともとの歯の形が三角形に近いほど、ブラックトライアングルができやすいです。
特に前歯の形が、逆三角形の場合は、根本の方が急にくびれるため、隣り合う歯との距離が開きブラックトライアングルが発生しやすくなります。

2.矯正前に「強い前歯の重なり」や「前歯が出ている」がある。

矯正治療を受ける前の歯並びに、“強いでこぼこ”や“ねじれ”がある場合は、既に隣り合う歯の隙間の歯周組織が喪失している場合もあります。
この部分の歯列を改善すると、隠れていた歯周組織の欠損が明らかになりブラックトライアングルが発生します。
意外かもしれませんが、でこぼこがなくても出っ歯の方も歯茎から前に歯が飛び出しているため、歯周組織は喪失しています。
抜歯をして前歯を引っ込めると、ブラックトライアングルが発生する事があります。

②歯茎に負担をかけすぎている

歯列矯正後にブラックトライアングルができる理由、2つ目は、歯茎に負担をかけすぎている事もあげられるます。
例えば、歯磨き。歯茎の成長を促すために、口腔内を清潔に保ったり、歯茎を適度にマッサージすることは効果的だと言えますが、
逆に強く磨き過ぎてしまうのは、むしろ逆効果になります。歯を磨く時はやさしく、ブラッシングの圧に気をつけて、
あまり強く押し過ぎないように磨くのがポイントです。

歯列矯正後にブラックトライアングルができたら、どうしたらいいのか？？？

ブラックトライアングルがあるから病気、とかいうわけではありません。
歯と歯の間に隙間があるからこそ、唾液が口内をくまなく流れることができ、口内の衛生環境が保てているとも言えるのです。
ブラックトライアングルがあっても、唾液や唇で目立たないことも多いです。
ラックトライアングルで出来ても歯の機能に影響はなく、矯正中の場合でも治療方針や治療期間に変更もありません。
ブラックトライアングルで問題になるのは、基本的に“見た目”（審美性）です。

ブラックトライアングルを減らす方法とは？？？

矯正治療中や矯正後の患者さんの中には、この隙間が気になる方もいるかもしれません。
ですが、実際は隣り合う歯はしっかり接しており、歯を動かす事で改善はできません。
減らす方法としては2つあります。

①歯にIPR（ストリッピング）を行い、接触面積を増やす。

よく行う方法として、IPR(ストリッピング)といって歯にヤスリをかける処置があります。
通常は歯を並べるスペースを確保のために行われますが、ブラックトライアングルを減らす効果もあります。
これは、隣り合う歯を１点で接触している状態から面で接触する状態にすることで、その下の空隙を減らす方法です。

②隙間が見える根本にカバーをする。

もう一つしては、虫歯を治す樹脂素材で空隙を埋めてしまう方法です。こちらは根本を太らせるイメージです。
改善効果は高いのですが、きれいに行うためには高度な技術が必要で、処置が可能な歯科医院は限られております。
また自由診療のため、費用が比較的高額になります。

まとめ

ブラックトライアングルができるリスクは、歯周病や歯肉炎の状態、歯並びの不正の程度によって個人差があります。
ある程度は事前に予測がつくので、心配しすぎずに、まずはご相談いただければと思います。
ブラックトライアングルの予防には、矯正期間中の歯磨きの仕方も大切なので、強く磨きすぎないよう優しく丁寧にブラッシングしていきましょう！