投稿日:2025.1.10
歯並びと口臭は関係ある?
こんにちは。
横浜駅西口から徒歩3分の歯科矯正専門医院、横浜駅前歯科・矯正歯科です。
いつも当院のブログをご覧いただきありがとうございます。
多くの方は、口臭を感じた場合その原因は食べ物であると考えるかと思います。
確かにニンニクやニラなど、口臭の原因となる食べ物は数多く存在しますが、時間経過とともに匂いは落ち着き次第に解消します。
しかし口臭とは食べ物によるものだけでなく、口の中や全身の病気、生理的なものなど様々な要因によって引き起こされます。
そこで今回は、口臭の原因、特に歯並びが悪いことにより引き起こされてしまう口臭やその対策について詳しくお話をしていきます。
口臭の原因
口臭の原因として、主に以下の内容が考えられます。
- 口腔内
- 全身の病気
- 食べ物
- 生理的なもの
それぞれ詳しく見ていきましょう。
口腔内
口腔内で口臭の原因として真っ先に疑われるのは歯周病で、歯周病と口臭は高い相関性があることが知られています。
歯周病により歯茎に歯周ポケットが形成されますが、この歯周ポケット内は細菌が住みやすい環境となります。
歯周ポケット内で繁殖した細菌が代謝を行う過程で硫化水素やメチルメルカプタンを産生し、これが口臭の原因となります。
歯茎からの高頻度の出血、腫れや口中の粘つき、歯の動揺(グラつき)、歯間部に食べ物がよく挟まるという方は、要注意です。
全身の病気
肺がんや胃がん、糖尿病や肝硬変等が持病としてある場合に口臭が感じられることがあります。
肺がんや胃がんはタンパク質の壊疽臭、糖尿病はアセトン臭、肝硬変ではアンモニア臭のような口臭が発生することがあります。
食べ物
ニンニクやニラ、アルコールや喫煙により取り込まれた臭いの元になる成分が胃で消化され、全身に循環し肺を経て吐き出されます。
歯磨きをしても臭いは残りますが、時間経過と共に消失します。
生理的なもの
起床時や空腹時、女性の場合はホルモンバランスの乱れにより口臭を感じることがあります。
起床直後や空腹時は唾液の分泌が減少しているため細菌が増殖し、口臭の原因物質が多く作られます。
このような生理的口臭は日内変動がみられますが、まったくの無臭になるということはありません。
口臭を感じても、神経質になりすぎる必要はありません。
歯並びと口臭の関係
歯並びが悪いと口臭を強く感じる可能性があります。
- 叢生(歯並びが凸凹の状態)
- 出っ歯
- 受け口
- 開咬
このような不正咬合がある場合は特に注意が必要です。
詳しく見ていきましょう。
叢生(歯並びが凸凹の状態)
歯磨きをしっかりしたつもりでも、重なり合った歯の隙間がよく磨けていないことがあります。
そこに細菌が溜まり続け、口臭の原因となります。
重なり合った歯の隙間は、歯ブラシだけでなく歯間ブラシやフロスを使って清掃しましょう。
出っ歯
症状は軽度でも、常に口が開いている状態になる方がほとんどです。
呼吸は鼻で行うことが基本ですが、口が閉じきらない状態だと口腔内の乾燥が進行し、口臭の原因となります。
受け口
反対咬合ともよばれますが、その名の通り上下の噛み合わせが反対になっている噛み合わせのことです。
受け口は食べ物を細かく咀嚼することが通常咬合よりも難しくなるため唾液の分泌量が低下し乾燥しがちな口腔内となります。
口腔内が乾燥すると、口臭発生の原因となります。
開咬
奥歯で噛んでも上下の前歯が噛み合わない状態で、オープンバイトとも呼ばれます。
開咬も口唇が閉じにくいため口腔内の乾燥が進行し、唾液の分泌量が低下するため口臭の原因となります。
矯正中の口臭が気になる
不正咬合を放置していることも口臭の原因となりますが、いざ矯正治療開始となった場合も、注意が必要です。
- 装置に付いた汚れ
- 歯磨きが行き届いていない
- 口が乾燥している
- 精神的ストレス
このように、矯正治療中は様々な要因で口臭が気になるという方もいらっしゃいます。
装置に付いた汚れ
ワイヤー矯正、マウスピース矯正のいずれにしても、口腔内で使用しているもののため、歯と同様に常に細菌が付着しています。
しっかりケアしたつもりでも、ワイヤー矯正であれば装置の間に汚れが残っていることが多いです。
マウスピース矯正であれば、マウスピース本体の洗浄不足や歯磨きが不十分のままマウスピースを装着してしまうと、
マウスピースで細菌を閉じ込める形になるため、口臭が発生しやすくなります。
歯磨きが行き届いていない
ワイヤー矯正の場合、装置があることで装置の周りや歯の表面との境目には汚れが溜まりやすいです。
通常の歯磨きのみでは歯ブラシの毛先が届きにくいため、なんとなくのブラッシングでは汚れは落ちません。
装置の周り、ワイヤーの下をしっかり磨くように意識して磨きましょう。
マウスピース矯正の場合、ワイヤー矯正に比べると格段に磨きやすいですが、アタッチメントがある場合は
アタッチメントの周囲が着色しやすいので、しっかり磨きましょう。
口が乾燥している
装置が気になって口を開けてしまったり、装置の厚みでお口が閉じにくかったりすると、
口腔内が乾燥しやすくなり、結果的に口臭が発生しやすくなります。
精神的ストレス
通常は口腔内に存在しない装置がお口の中に常にある状態であることや、装置が付いていることにより粘膜が傷つき、
口内炎などの炎症が頻繁に出来てしまうため、ストレスを感じる方が多いでしょう。
できるだけ日常的にストレスを溜めないようにすることで、症状緩和に繋がりやすくなります。
矯正中の口臭ケア
口臭を抑える目的もあって矯正治療を行うのに、治療中の口臭が気になるのは本末転倒です。
矯正治療中でもしっかりケアを行えば、口臭を抑えることが出来ます。
こまめな口腔ケア
毎食後はもちろん間食の後でも、歯ブラシを使用して汚れを落としましょう。
矯正装置が口腔内にあることによって、通常の状態よりも細菌の繁殖がしやすかったり、虫歯になりやすい環境です。
歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやタフトブラシも併用して、しっかり口腔内の汚れを落としましょう。
またこまめに歯磨きをすることで、着色も抑えられます。
口腔ケア用品を活用する
通常の歯ブラシでの歯磨きに加え、歯の間の清掃には歯間ブラシ、細かいワイヤー部分や奥歯の方はタフトブラシを併用してお掃除すると良いです。
また、それでも口臭が気になる方は舌苔が原因であることも多いので、舌ブラシを使用し、舌の清掃も行うとより口臭が抑えられます。
舌ブラシを使用するときは、強い力を加えず、優しく擦るのがポイントです。
口内の乾燥を防ぐ
口腔内の乾燥は口臭のもとに繋がります。
こまめに水分補給を行い常に口腔内を潤わせておくことが重要です。
また、口呼吸ではなく、口を閉じて鼻呼吸を行うように意識しましょう。
歯科医院でのクリーニング
普段の生活ではご自身で行うセルフケアが1番大切ですが、どうしても限界があることは確かです。
調整のために月1-2回の来院があることがほとんどですが、同時にクリーニングを行うこともおすすめです。
クリーニング専用の機械を使用するため、セルフケアでは難しい部分もお掃除することが可能です。
定期的にクリーニングも行うとより良いでしょう。
まとめ
口臭はさまざまな要素が原因となり発生するため、原因を突き止めるのに時間がかかることがあります。
不正咬合が原因の場合、矯正治療を行うことで口臭の症状を緩和することが可能となります。
虫歯や歯周病がある場合は、先に口腔内の環境を整えてから矯正治療を行うこともありますので、
気になることや疑問があれば、お気軽にご相談ください。