投稿日:2024.4.1
矯正で歯を削っても大丈夫?エナメル質形成不全(MIH)についても解説します!
こんにちは!
横浜駅西口から徒歩3分の歯科矯正専門医院、横浜駅前歯科・矯正歯科です。
いつも当院のブログをご覧いただきありがとうございます☆
「矯正をしたいけど、歯が並ぶ場所がない……。」
矯正を希望する方は、歯が並ぶスペースが足りずに、歯並びが悪くなっているケースが多いです。
さらに、日本人は顎が小さい傾向なので、歯並びが悪い方も多くなります。
そのため、歯が並ぶスペースが足りない方はスペースを確保して矯正治療をする必要があります。
そこで今回は、矯正治療でスペースが足りない方が行う方法とエナメル質形成不全(MIH)について詳しくお話させていただきます。
目次
矯正治療で歯を並べるスペースを確保する4つの方法
1 抜歯
矯正で、大幅に歯を並べるスペースが足りない場合には、「抜歯」が検討されます。
抜歯をすると、その分のスペースに歯を動かすことができるので、歯の大きさは個人差がありますが、1本につき7~8ミリ程度、左右両方で14~16ミリ程度のスペースを確保できることが多くなります。
ただし、大切な歯を抜歯するので、ほかの方法が適用にならないか検討して、抜歯をしないと歯並びを整えることが難しい場合に検討されます。
2 IPR
歯の表面は硬いエナメル質で覆われています。
IPRは、歯と歯の間にやすりをかけるように0.5ミリ以内の範囲でスペースを確保します。
もちろん、健康に影響が出ない範囲で行いますし、0.1ミリ単位で歯を整えるため、歯の負担がかからない程度で行います。
1本あたりのスペースはそれほど多くないですが、何本もの歯をIPRすることで、歯を動かすスペースを確保ができるようになります。
また、IPRをすることで、抜歯をせずに矯正治療を行うことができます。
そのほかには、IPRは、「ブラックトライアングル」を解消するためにも行うことがあります。
ブラックトライアングルとは、歯と歯の間の三角のすき間です。
加齢や歯周病、歯が動いたことですき間ができた時には、IPRをしてブラックトライアングルを解消する場合もあります。
あとは、歯の大きさや形を整えるために行うケースもあります。
いずれも、歯に負担がかからない程度の範囲でIPRをしますので、ご安心ください。
・痛みはないの?
エナメル質の範囲内で削るので、痛みを感じることはほとんどありません。
むし歯の治療の時などに、歯を削ってしみることがあるかと思いますが、それは、エナメル質の内部の「象牙質」まで達している時です。
象牙質の内側には「歯髄」といわれる歯の神経があり、刺激をされると痛みが出る場合があります。
一方、IPRは、エナメル質の範囲で削るので、痛みを感じることは少ないです。
3 顎の成長を促す(お子様の場合)
乳歯から永久歯に生え変わる時期は、顎が成長を続けています。
お子様の乳歯の生え変わりは、個人差がありますが6~12歳程度で生え変わることが多く、顎の成長もこの時期であれば、促すことができます。
お子様の成長を味方につけた矯正ができるので、顎の成長を促しながら正しい位置に歯が生えてくるように誘導します。
また、歯並びが悪いお子様は、口呼吸、舌を前にだすくせ、爪かみ、頬杖などの悪習癖を伴っていることが多いです。
お子様も気づかずに何気なく行っている悪習癖は、そのまま継続すると、さらに歯並びが悪くなってしまうことも。
悪習癖をしていないか確認をして、悪習癖をしている場合には、できるだけ早くやめるようにお伝えします。
ただし、歯並びが悪いことで口呼吸になっている場合には、口が閉じにくいことがあります。
矯正治療をしながら、口呼吸が改善していくように促します。
4 奥歯の後ろに歯を動かす
お子様の場合には、「ヘッドギア」という装置を使って奥歯の後ろに歯を動かすことは可能でした。
ただし、頭から装置をつけるので、自宅にいる時など使用できる時間が限られています。
大人の場合には、一般的なワイヤー矯正の場合、一番奥の歯を固定源にするため、それ以上後ろには歯を動かすことができませんでした。
ただし、矯正用インプラントを使用することで、奥歯より後ろに歯を動かすようにできるようになりました。
矯正用インプラントは、歯ぐきに小さなねじを埋め込んで、その部分を固定源にして歯を動かす方法です。
また、マウスピース矯正も奥歯より後ろに歯を動かすことが可能です。
エナメル質形成不全とは
先ほどお話したように、矯正するために、歯を並べるスペースが足りない場合には、エナメル質の範囲でIPRを行います。
ただし、エナメル質が健康な状態であることが条件になり、「エナメル質形成不全」の場合には、IPRが難しい場合もあります。
エナメル質形成不全
エナメル質は、歯の表面の部分ですが、「遺伝」「全身的要因」「局所的要因」などの原因で歯が変色してもろくなる状態をエナメル質形成不全といいます。
この状態は、エナメル質が上手く形成できていないので、むし歯になりやすい環境です。
エナメル質の内部は象牙質ですが、やわらかいのでむし歯になりやすく、進行も早い特徴があります。
そのため、エナメル質形成不全があった場合には、注意が必要です。
エナメル質形成不全の原因は3つ考えられます。
・遺伝
遺伝的要因の場合には、血縁の方にエナメル質形成不全の方がいると、症状が出ることがあります。
遺伝的な要因の場合には、多くの歯のエナメル質形成不全が現れることが多く、審美的に気になってしまうことも多いです。
・全身的要因
妊娠中に、母親が栄養不良の場合や全身的な病気の代謝異常などでエナメル質形成不全になることがあります。
このケースでは、歯が形成される時期が異なるので、栄養不良の期間に成長していた歯に症状が出ます。
そのため、すべての歯に出ることは少なく、一部分だけ症状が出るケースが多いでしょう。
左右対称的に症状が出ることもあります。
・局所的要因
歯が成長している発育段階で強い衝撃を受ける「外傷」を受けたり、乳歯に大きなむし歯があり、永久歯に影響が出て、エナメル質形成不全になったりする場合もあります。
また、顎顔面の炎症や感染で発症するケースもあります。
エナメル質形成不全の対処法
・フッ素
フッ素には、「歯の再石灰化を促す働き」「むし歯菌に働きを抑制する働き」「歯の質を強くする働き」があるので、軽度の場合には、定期的にフッ素塗布を行いながら経過観察をします。
むし歯予防の効果が期待できるため、歯の質が弱いエナメル質形成不全の方の歯の質の強化をはかります。
歯医者で塗布するフッ素は濃度が高いので、3ヶ月に1度程度の頻度で効果が期待できます。
また、歯磨き粉に配合されているフッ素は、毎日使用できるので、積極的に使用しましょう。
高濃度の歯磨き粉では、1450ppmの歯磨き粉があります。
濃度が高いと、効果が期待できるので、歯磨き粉のフッ素の濃度も高濃度の物を選択しましょう。
・レジン充填
むし歯の治療などに使用する歯科用プラスチックの素材で詰める方法です。
変色の部分を除去して、レジンを詰めます。
ただし、症状によっては、レジンを詰めるだけでは内部を透過してしまうことがあるので、その場合には、被せ物が検討されます。
・被せ物にする
前歯など審美的に重要な部分は、エナメル質形成不全の重度の方の場合、きれいに治療することが難しい場合があります。
その場合には、むし歯の治療と同様に、歯を削って被せ物の治療をします。
まとめ
矯正治療をする方は、歯を並べるスペースが足りないことも少なくありません。
その場合には、抜歯や歯にやすりをかけるようにIPRを行います。
IPRの場合には、エナメル質の範囲で対応するので、歯の負担をかけることはありません。
また、エナメル質の疾患がある場合には、症状に合わせて対処しますので、ご安心ください。
当院では、さまざまな歯並びの矯正治療を行っていますので、歯並びが気になり始めた方は、まずは横浜駅前歯科・矯正歯科へご相談ください。
≫無料矯正カウンセリングのご予約はこちら☆