投稿日:2024.10.4
歯列矯正とアレルギーの関係性について〜安全な治療を受けるために知っておきたいこと〜
こんにちは!
横浜駅西口から徒歩3分、矯正専門歯科の横浜駅前歯科・矯正歯科です。
いつも当院のブログをご覧いただき、ありがとうございます☆
歯列矯正を希望しているけど、アレルギー体質で悩まれている方は少なくないはずです。どうしても弊害となってしまうことが、アレルギーに関してかと思います。
特に金属アレルギーの方は、矯正装置に使われる金属によって、皮膚炎や口腔内の炎症を引き起こす可能性があります。しかし最近の矯正治療は進歩しており、アレルギー体質の方でも、安心して治療を受けられる方法が数多く存在しています。今回は安全な治療を受けるため、アレルギーと歯列矯正の関係性について詳しく解説していきます!
目次
そもそもアレルギーってどんな症状がおこる?
アレルギーの症状は、アレルゲンの種類や個人によって異なりますが、一般的には以下の症状が見られます。
- 皮膚症状:かゆみ、発疹、じんましん、水疱
- 呼吸器症状:鼻水、鼻づまり、くしゃみ、咳、喘息発作
- 消化器症状:下痢、腹痛、吐き気、嘔吐
- その他:目のかゆみ、結膜炎、頭痛、倦怠感など
アレルギーの種類は?
アレルギーは反応が現れるまでの時間によって大きく2つの型に分けられます。
1.即時型アレルギー
特徴として、アレルゲンに接触後、数分から数時間以内に症状が現れます。
特定の物質(アレルゲン)が体内に侵入すると、IgE抗体という物質が産生されます。IgE抗体とは、アレルギー反応に関係する抗体で、有害な細菌やウイルスの病原体から、体を守る免疫の働きによって作られます。このIgE抗体がアレルゲンと結合することで、ヒスタミンなどの化学物質が放出され、アレルギー症状を引き起こします。
代表的な症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・皮膚のかゆみ・じんましんになります。
代表的な疾患としては、花粉症・食物アレルギー・アトピー性皮膚炎
2.遅延型アレルギー
アレルゲンに接触後、24時間から72時間後に症状が現れます。
T細胞と呼ばれる免疫細胞がアレルゲンに対して反応し、炎症反応を引き起こします。
代表的な症状は、かゆみ・発疹・紅斑・接触皮膚炎(かぶれ)になります。
代表的な疾患としては、金属アレルギーによる接触皮膚炎になります。
アレルギーの原因は?
アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)は人によって様々です。代表的なアレルゲンとしては以下のものがあげられます。
- 花粉:スギ、ヒノキ、ブタクサ、イネ
- ハウスダスト:ダニ、カビ、動物のフケ
- 食物:卵、牛乳、小麦、大豆、ナッツ、蕎麦、魚介類
- 薬:抗生物質、解熱鎮痛剤
- 金属:ニッケル、コバルト、パラジウム、銅、スズ
- 化学物質:化粧品、洗剤
歯列矯正を行う上で気をつけたいアレルギーは?
歯列矯正治療に使われる素材は様々ありますが、特に金属アレルギーを引き起こす可能性のものが多く、治療前に確認したい項目の1つです。
1.金属アレルギー
金属アレルギーは日本人の10人に1人が発症していると言われているほど、一般的な皮膚疾患であり、成人してから発症する人も珍しくありません。
ネックレスやピアスなどアクセサリーに使われている金属が汗で溶けイオン化すると、体内のたんぱく質と結合し、新たなたんぱく質に変性します。それを体内で異物とみなすことによりアレルギー反応が起こります。
「ネックレスが触れている部分が赤くなる」「ピアスをつけたら耳がかゆくなった」などこのような症状がみられる場合は、金属アレルギーの可能性があります。
2.ラテックスアレルギー
天然ゴムに含まれているラテックスというたんぱく質をアレルゲンとして発生するアレルギー反応をラテックスアレルギーと言います。天然ゴムを使用した製品に触れるとじんましんが出たり、重症になると、喘息発作やアナフィラキシー反応が出たりします。日常生活にもラテックス製品に触れる機会が多く、ゴム手袋や輪ゴム、風船などに含まれています。
歯列矯正治療で使用する金属は?
矯正治療では、歯に直接つける「ブラケット」と呼ばれる矯正装置や、「ワイヤー」にニッケル、クロム、コバルトなどの金属が多く使用されています。
特にニッケルに関しては、金属アレルギー患者様に反応してしまう可能性があります。ワイヤー矯正の器具の多くはニッケルが含まれていることが多いので、要注意です!
また矯正治療では、ブラケットやマウスピース型の矯正装置の他に補助装置「リンガルボタン」を歯に直接取り付けることが多くあります。表側矯正や裏側矯正、マウスピース矯正全てにおいて、歯の動きをサポートするために使います。そのため、ブラケットやマウスピースだけでは難しい歯の動きにも対応ができます。「リンガル」は「裏側」という意味ですが、用途によって裏側表側どちらにも利用でき、幅広いアプローチが可能です。リンガルボタンも様々な種類がありますが、金属製のボタンを使用することがあります。
歯列矯正治療で使用するラテックス製品は?
ラテックスは、医療分野で最も多く使われています。具体的には手袋(グローブ)、絆創膏、カテーテルなど患者様や医療従事者が日常的に接触する多くの医療用品に使われています。非常に伸縮性が高く、様々な部位にフィットしやすいため柔軟性に特化しています。また液体をはじく性質があり、医療現場での感染防止に役立ちます。また耐久性も高いため多くの医療現場で使用されています。
当院では基本的にはラテックス製品のグローブを使用しています。ラテックスフリーのグローブも必ず用意していますので、ラテックスアレルギーの方もご安心ください。
またゴムかけ(顎間ゴム)で使用するゴムはラテックス製のものを使用していますが、ラテックスフリーのノンラテックス顎間ゴムもご準備しています。アレルギー反応を起こしにくいノンラテックス素材なので安心してご使用いただけます。
個人的な感想ですが、、ノンラテックスの顎間ゴムのほうが色味が透明に近いので、目立ちにくいような気がしました!
他にも、歯と歯の間のすき間を閉じるゴムやバンドという装置をつけるためにすき間を作るゴム、ブラケットとワイヤーを留めるゴム、ワイヤーがたまわないようにするための透明なゴムチューブなど様々なゴム製品を矯正治療中に使用しますが、これらの製品には天然ゴムは含まれておらず、シリコン製やポリウレタン製のためラテックスアレルギーの方でも安心して使用いただけます。
金属アレルギーでも矯正治療はできるの?
結論からいうと、金属アレルギーの方でも歯列矯正を行うことができます。「金属アレルギーがあるから矯正はできない…」とあきらめる必要はありません。
金属アレルギーの診断を受けた方に関しては、第一選択として、金属を使用しないまま治療が進めることができる「マウスピース矯正」がとても有効な手段です。マウスピース矯正に関しては歯並びの状態によっては選択できない場合があります。その場合は、セラミック製のブラケットや金属でも「チタン」はアレルギーを起こしにくいので、チタン製のワイヤーで対応してきます。上記で述べたリンガルボタンも透明なクリアボタンを使用していきます。
まとめ
アレルギー体質でも、適切な治療法を選択することで、美しい歯並びを手に入れることができます。マウスピース矯正やセラミックブラケットなど、アレルギーのリスクを軽減できる治療法もたくさんあります。
治療を受ける前に必ず歯科医師に相談し、ご自身に合った治療法を選択しましょう。美しい笑顔は自信につながり、より豊かな生活を送るための第一歩となると幸いです。
当院では初診カウンセリング時の際に記入していただく問診票にアレルギーがあるか、あればどのようなアレルギーがあるのか記載していただいております。それは安心して歯列矯正治療を受けていただくために、とても重要なことなので、細かく記入をお願いいたします。
★矯正治療は横浜駅前歯科・矯正歯科へご相談ください。
≫無料矯正カウンセリングのご予約はこちら☆
★横浜駅前歯科・矯正歯科のInstagramでは、
様々な症例や歯科に関する情報を投稿しています!是非フォローお願いします★
合わせて読む≫金属アレルギーでも矯正治療はできるのか?