投稿日:2024.4.3
認知度は低め?「切端咬合」について、リスクや治療法を解説します!
こんにちは!
横浜駅西口から徒歩3分の歯科矯正専門医院、横浜駅前歯科・矯正歯科です。
いつも当院のブログをご覧いただきありがとうございます☆
「前歯が当たって奥歯が噛みにくい」
その歯並びは、さまざまな所に負担がかかっているかもしれません。
奥歯できちんと噛めずに前歯が先に当たる歯並びを「切端咬合」といいます。
強い力が前歯にかかるので、前歯に負担になりやすく、噛み合わせのバランスも崩れています。
そこで今回は、そんな切端咬合についてリスクや治療法について解説します。
目次
切端咬合とは?
正しい噛み合わせの場合、上の歯が下の歯を覆っています。
しかし、切端咬合の場合には、前歯の先端で噛み合わせている噛み合わせの状態をいいます。
「受け口」の状態にも似ていますが、受け口の場合には、下の歯や顎が前に出ています。
切端咬合は、全ての前歯が先端で噛んでいるケースが少なく、一部の歯だけ切端咬合になっている状態の方が多いです。
また、切端咬合のまま噛み合わせると、奥歯が噛みにくいことが多いため、少し前で噛んだり横にずらして噛んだりすることが多くなります。
そのため、見た目には受け口の状態にみられやすい歯並びです。
切端咬合は、前歯に問題があるようにみえますが、噛み合わせも悪くなっているため、治療する場合には、前歯だけでなく、全体的な噛み合わせのバランスも整える全体矯正が望ましいと考えられています。
切端咬合の原因とは?
・骨格的な原因
上顎と下顎の発達のバランスが悪いと、切端咬合の原因になる場合があります。
下顎が発達し過ぎている「過成長」もしくは、上顎の成長が足りない場合に切端咬合の原因になりやすいです。
骨格的な問題は、遺伝的な要因もありますが、成長段階で「しっかり噛む」ことが少ないと顎の成長が促されないことがあります。
特に、ファストフードなどを頻繁に食べる機会が多いと、やわらかいので、「しっかり噛む」機会が減ってしまいます。
そうすると、十分な顎の発達が促されずに歯並びの不正につながる場合があります。
・幼少期のくせ
お子さんのころの歯並びに悪いくせが原因で切端咬合になる場合があります。
「口呼吸」「舌が下がっている」「悪い飲み込み」などを習慣的に続けていると、下の前歯が前に出るケースが考えられます。
舌の本来の正しい位置は、上顎の少し出ている部分なのですが、口呼吸が習慣になると口周りの筋力が低下して、舌が下がりやすくなります。
また、飲み込む時に、舌で歯を押すくせがあると、前歯に悪影響があります。
小さなお子さんの場合には、無意識にこのくせを行っていることが多く、歯並びの悪さにつながってしまいます。
特に、お口をぽかんと開けていることが多いお子さんは、「口呼吸」の可能性があります。
口呼吸は歯並びが悪くなる可能性があるだけでなく、ウイルスや細菌をダイレクトに吸い込んでしまうため、感染症のリスクも高くなります。
また、お口の中が乾燥しやすくなるため、細菌が増殖しやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。
多くのデメリットがあるため、口呼吸は早めに改善した方がよい悪習癖です。
お子様のお口の状況によっては、歯並ぶが原因でお口が閉じにくい場合もあります。
その場合には、歯並びを改善することをおすすめします。
・歯の生える位置・角度
顎の成長が十分で、歯が生えるスペースがある場合でも、歯の生えてくる位置や角度の関係で切端咬合になる場合もあります。
また、歯がガタガタしている「叢生」の場合には、一部分だけが正しい位置に生えることができず、切端咬合になるケースもあります。
切端咬合の4つのリスクとは
1 前歯に負担がかかる
奥歯でかみ合わず、前歯に負担がかかるため、欠けたり割れたりするリスクが高くなります。
前歯は奥歯と比較すると、薄く、割れやすい特徴があります。
切端咬合の症状にもよりますが、一部が切端咬合になっている場合には、その部分に強い力がかかっているケースも少なくありません。
その力がかかり続けると、前歯に負担がかかってしまいます。
また、最悪の場合、割れて抜歯になると、歯を失った時の治療が必要になります。
その場合、「インプラント」「ブリッジ」「入れ歯」の選択肢が考えられますが、前歯は審美性も考慮して治療をする必要があるため、それぞれの治療を比較して、治療方法を決めることをおすすめします。
2 顎関節症のリスク
全ての歯には役割があり、噛み合わせのバランスを保っています。
そのため、一部分だけ強く当たったり、前歯が当たって奥歯が噛みにくかったりすると無理な位置で噛むことが多くなります。
そうすると、強く当たっている部分や噛みにくい所で長期間噛んでいると、顎の関節に負担がかかります。
顎関節症は、初期の段階では音が鳴る、口が開きにくいなどの症状ですが、進行すると、食事をする度に顎が痛いなどの症状が出る場合があります。
そのまま放置していると、顎の関節が変形して、手術が必要になるケースもあります。
噛み合わせのバランスを整えるとともに、顎関節症の症状が少しでも出たら、早めにクリニックに相談しましょう。
3 噛む機能の低下
前歯が当たってしまう「切端咬合」は奥歯で噛みにくい状況になります。
そうすると、しっかり噛むことが難しくなり、噛む機能も低下します。
しっかり噛むためには、口周りに筋力も必要ですが、噛みにくいまま生活していると、あまり噛まずに食事をすることが多くなります。
そうすると、口周りの筋力も低下して悪循環になってしまうことも。
また、長期間噛みにくい生活を続けていると、消化機能にも負担がかかります。
4 外科的な矯正治療が必要になるケースも
骨格に問題がある切端咬合は、顎の成長しているお子様の段階で治療を開始すると、スムーズに治療をしやすくなります。
一般的に顎の成長は、永久歯に生え変わる12歳程度まで続いていると考えられています。
そのため、永久歯が生え揃う前の段階から、顎の成長を促しながら、歯が正しい位置に生えてくるように誘導することで、歯並びが整いやすくなります。
しかし、骨格性の原因で顎の成長のバランスが悪い場合には、矯正治療だけでは歯並びや噛み合わせを改善することができず、外科手術が必要になる場合があります。
そのため、顎の成長を利用して歯並びを整えることができるお子様の期間に治療を開始することをおすすめします。
切端咬合の治療法
切端咬合の治療にもいくつか種類がありますので、ご紹介します。
歯並びによっては、適用ならない場合もありますので、ご希望の矯正方法がある方はお気軽にご相談ください。
ワイヤー矯正
従来から広く行われている矯正方法で、歯の表面にブラケットという装置をつけて、ワイヤーを通して、適切な力をかけて歯を整える方法です。
・表側矯正
歯の表面に矯正装置をつける方法で、多くの矯正歯科で対応しています。比較的多くの歯並びの不正に対応しているので、適応範囲が広い特徴があります。
以前は、金属の装置の見た目が気になってしまうことがありましたが、白や透明のブラケットや審美ワイヤーも選択できるようになり、矯正中の見た目も気になりにくくなりました。
・裏側矯正
歯の裏側にブラケットをつける方法なので、矯正装置がほとんど見えずに矯正治療が可能です。
また、歯の裏側は唾液腺が近いので、表側と比較すると汚れが落ちやすい特徴もあります。
ただし、裏側に装置をつけるため、技術力が必要になり、どの歯科医院でも対応しているわけではありません。
マウスピース矯正
患者さまのお口に合わせて、透明のマウスピースを作製して、段階的に形の違うマウスピースに交換することで歯並びを整える方法です。
取り外しができるので、食事や歯磨きを今まで通り行うことができます。
また、透明のマウスピースなので、矯正中の見た目も気になりにくい方法です。
外科矯正
骨格性の切端咬合の場合に検討されます。
顎のバランスが悪い部分の骨を整えて、噛み合わせのバランスを整えます。
設備や対応できる病院が限られています。
まとめ
切端咬合は、一部分だけ噛み合わせが悪くなっている場合が多いですが、噛み合わせのバランスが崩れている状態です。
奥歯できちんと噛みにくいことから、無理して噛むことが多く、顎関節症になってしまうことも。
噛み合わせのバランスが悪いと、前歯が欠けたり、噛む機能の低下を招いたりすることもあります。
当院では、噛み合わせのバランスと歯並びを整えるさまざまな矯正方法に対応していますので、歯並びが気になり始めた方は、まずは横浜駅前歯科・矯正歯科へご相談ください。
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