投稿日:2024.1.19
歯の着色汚れを落とす方法と予防策を徹底解説!歯が着色しやすい人の特徴とは?
こんにちは。横浜駅西口から徒歩5分 横浜駅前歯科・矯正歯科です。
「歯磨きしても着色汚れが落ちない」
「歯医者さんでクリーニングしてもすぐに歯が着色してしまう」
このような歯の着色汚れ(ステイン)のお悩みはありませんか?
実は、歯の着色汚れの原因は、歯磨きなどのケア不足だけではありません。
歯が着色しやすい人には、いくつかの共通点があります。
そこで本記事では、歯が着色しやすい人の特徴と、着色汚れを落とす方法・予防策について、歯科衛生士の浦木が解説します。
目次
歯の着色汚れ(ステイン)とは
歯の着色汚れは飲食物に含まれる色素やタバコのヤニなどが、歯の表面にこびりついたものです。
歯の着色汚れはどのようにして作られるのでしょうか?
歯の着色汚れはどうやって作られる?
歯の表面は“ペリクル”という唾液由来の糖タンパクを主成分とする薄い膜で覆われています。
ペリクルは細菌が歯に吸着するための足がかりとなる一方で、酸蝕から歯を保護する働きをするといわれています。
このペリクルにコーヒーやお茶などに含まれる色素やタバコのヤニなどが付着することで、着色汚れが作られます。
歯の着色汚れのデメリット
不潔な印象を与える
歯の黄ばみやくすみ、黒ずみは、歯のケアをおこたっているように見え、不潔な印象を与えます。
虫歯や歯周病、口臭のリスクを高める
歯の着色汚れは、虫歯や歯周病、口臭の直接的な原因とはなりません。
しかしながら、着色汚れは歯の表面をザラザラにします。
歯の表面がザラつくと、細菌のかたまりである歯垢(しこう、プラーク)が付着しやすくなります。
そのため、歯の着色汚れは、虫歯や歯周病、口臭のリスクを高めると言われています。
笑顔に自信が持てない
歯に着色汚れがついていると、歯の色が気になって、思いっきり歯を見せて笑えなくなることがあります。
歯が着色しやすい人の特徴
歯が着色しやすい人には、ある習慣や歯の特徴など、いくつか共通点があります。
その中で代表的なものをご紹介します。
歯が着色しやすい飲食物を頻繁に摂取している
歯の着色の原因となる飲食物の代表的なものは以下の通りです。
- 赤ワイン
- ブドウ
- プルーン
- ブルーベリー
- チョコレート
- コーヒー
- お茶
- カレー
上記の飲食物にはポリフェノールが多く含まれています。
ポリフェノールは、ほとんどの植物に含まれる苦味や色素のもととなる成分で、歯が着色する原因となります。
また、フェロミアなどの鉄剤を服用している人も着色しやすい傾向にあります。
口の中に残った鉄剤が酸化する場合や、鉄剤をお茶で服用した場合、歯の表面が黒褐色に着色することがあります。
これは、お茶に含まれるポリフェノールの一種“タンニン”と鉄が反応して生成されるタンニン酸第三鉄が歯に沈着するためだといわれています。
タバコを吸っている
タバコを日常的に吸っていると、タバコのヤニが歯に付きます。
ヤニはタバコの煙に含まれる有害物質の一つで、“タール”という成分です。
タバコのフィルターや喫煙室の壁紙が黄色くなるのも、このタールによる着色です。
タールはもともと真っ黒で、発ガン性物質を含んでいます。
「喫煙者の肺は黒い」といいますが、その黒色はタールによるものです。
口の中が乾燥している
唾液が少なかったり、口呼吸していると口の中が乾燥します。
口の中が乾燥すると唾液の洗浄作用が働きにくく、歯が着色しやすくなります。
また、歯茎も頻繁に外気に触れ乾燥することによって刺激を受けやすい状態となり、メラニン色素の生成が活性化され、歯茎にも色素沈着が起こりやすくなります。
歯並びが悪い、歯列矯正中
歯並びが悪かったり、ワイヤーでの歯列矯正中だと、歯ブラシを隅々まで当てるのが難しく磨き残しやすくなります。
また、出っ歯などで口が閉じにくいと、口呼吸になり、唾液の洗浄作用が働かず、着色しやすくなります。
飲食後に歯磨きをしていない、または歯磨きが雑
歯磨きは1日1回しかしていないなど歯磨きの回数が少なかったり、毎食後歯磨きをしていても歯磨きが雑な場合は、着色しやすくなります。
また、歯磨きの時に力を入れすぎると、歯ブラシの毛先が開いて毛先が歯面に当たらず、汚れが残りやすくなります。
歯磨き粉・歯ブラシ・うがい薬の問題
研磨剤の入っていない歯磨き粉や、毛先が極細の柔らかい歯ブラシを使っている
研磨剤が入っていない歯磨き粉は歯や粘膜を傷付けないのでお口に優しいと言えますが、着色が落ちにくくなります。
また、歯周病ケア用の極細の柔らかい毛の歯ブラシでは、歯面の清掃効果が低く、着色しやすくなります。
粗い研磨剤が入った歯磨き粉や、毛の硬い歯ブラシを使っている
粗い研磨剤が入った歯磨き粉を使うと、歯に細かい傷ができて汚れが付きやすくなります。
さらに、硬い毛の歯ブラシで力強く磨くと、より傷が付きやすく、着色しやすくなります。
毛先が広がった歯ブラシを使っている
使い古した毛先が広がった歯ブラシでは毛先が歯面に当たらず、汚れがきれいに落とせません。
うがい薬を使っている
イソジンなどのポピドンヨードを含むうがい薬は色が濃く、歯が着色する可能性があります。
また、コンクールFなどグルコン酸クロルヘキシジン配合のうがい薬の長期使用も、茶渋のような着色が付くという副作用があります。
保険の白い被せ物が入っている
保険治療で入れた白い被せ物は、色素を吸収しやすいプラスチックを使用しています。
また、プラスチックは傷も付きやすいため、着色しやすくなります。
歯の着色汚れを落とすには?
うっすら付いた着色汚れなら、自分で行う歯磨きによって落とすことができます。
頑固に付いた着色汚れは、歯医者さんで専用の器械で落としてもらいましょう。
自分で歯の着色汚れを落とす歯磨きのポイント
- 歯ブラシの毛は、ラウンド毛、平切り、普通の硬さのものを選ぶ
(歯列矯正中は矯正用の歯ブラシや歯間ブラシなどを使用する) - 毛先が開いていない歯ブラシを使う。(歯ブラシは月に1回新しくする)
- 毛先が広がらない程度の優しい力で歯磨きする。(適切なブラッシング圧は150~200gくらい)
- 歯ブラシは水で濡らさない。(水で歯磨き粉の成分を薄めない)
- 歯に優しい清掃剤入りの歯磨き粉を使う
- 歯磨き粉の量は多過ぎず、少な過ぎず、指定量を使う
ちなみに、私のオススメの歯磨き粉は『Brilliant more W (ブリリアントモア ダブル)』。
清掃助剤ピロリン酸ナトリウムとポリリン酸ナトリウムがイオンの力で歯の表面から着色汚れを浮き上がらせ、ブラッシングでスッキリ落とします。
歯医者さんで歯の着色汚れを落とす方法
歯医者さんで着色汚れを落とす場合、『クリーニング』を行います。
フッ化物入りのペーストを歯科専用の小さなブラシに付けて『ポリッシング』する場合と、歯面清掃器を使用する『パウダークリーニング』を行う場合があります。
着色汚れをブラシで磨いて落とす『ポリッシング』
当院では、小さな範囲にうっすら付いた着色汚れはポリッシングで落とします。
フッ化物『モノフルオロリン酸ナトリウム』配合のペーストで、歯質を強化しながら優しく着色を落とします。
パウダーを歯面に吹き付けて着色汚れを落とす『パウダークリーニング』
当院では、着色が広範囲に渡る場合や、濃い厚みのある頑固な着色汚れは、『プロフィーフレックス3』という歯面清掃器で落としています。
歯面清掃器のタンクに専用のパウダーを入れ、水とパウダーを勢いよく噴射することにより、着色汚れを落とします。
以下に当てはまる方は、パウダークリーニングを受けて頂くことはできません。
- 呼吸器系の慢性疾患がある(疾病の悪化のおそれがある)
- 病的な歯周ポケット(3mm以上)がある
- 口の中に傷や異常がある
- 口の中に充血、出血、炎症がある(空気塞栓症および皮下気腫を起こすおそれがある)
- 口腔粘膜に炎症やただれを起こしやすい(炎症を起こす恐れがある)
- パウダー成分や類似成分に対して発疹、皮膚炎などの過敏症を起こしたことがある
当院で使用しているパウダー『KAVO プロフィーパール』の粒子は球状で、歯に優しいクリーニングができます。
また、このパウダーの主成分は炭酸カルシウムです。
従来の重炭酸ナトリウム(炭酸水素ナトリウム)が主成分のパウダーを使用してないので、無塩食、減塩食の患者さんや腎障害の患者さん、慢性下痢の患者さんにも使用できます。
歯の着色を落とすにはいくらかかる?
歯の着色汚れまで落とすクリーニング、歯周病でない歯に対する予防目的のクリーニングは自費診療です。
そのため、クリニックによって料金が違います。
当院では、矯正中の患者さんには着色除去を含むクリーニングは上下全体で8,800円(※1)で行っております。
ワイヤー矯正中でも、ワイヤーを外してクリーニングするので、隅々までクリーニングできます。
当院で矯正を終えてメンテナンス中の患者さんの場合は、メンテナンス料金5,500円(※2)にクリーニング料金が含まれているため、着色汚れを落としても追加料金はかかりません。
※1※2は2024年1月19日現在の料金です。料金は予告なく変更になる場合があります。
歯の着色汚れ(ステイン)を付きにくくする方法
歯が着色しやすい飲食物の過剰摂取を控え、飲食後はすぐに水でゆすぐ
お茶や赤ワインなど着色しやすいものの過剰摂取は控え、飲食後はすぐに水でゆすぐか歯磨きをして洗い流しましょう。
また、鉄剤はお茶で飲まずに、水か白湯で時間をかけずに飲みましょう。
長時間口の中に鉄剤を含んでいると、着色しやすくなります。
タバコを控える
禁煙するのが一番ですが、いきなり禁煙が難しい場合は徐々に本数を減らしたり、電子タバコに切り替えるのも方法です。
電子タバコには着色の原因となるタールが含まれていないことが多いため、歯の着色リスクはゼロに近いと言われています。
※加熱式タバコはタールの発生は非常に少ないですが、着色のリスクは多少あります。
唾液の量を増やす
食事の時によく噛んだり、ガムを噛んだり、人と話すことでも唾液腺が刺激されて唾液が出やすくなります。
『あいうべ体操』も効果的です。
また、唾液を減らしてしまうアルコールやタバコを控えるのも良いです。
シェーグレン症候群や糖尿病などの病気がある場合も唾液の分泌が減るので、そちらの治療を受けましょう。
鼻呼吸する
口呼吸は、お口の中を乾燥させて歯に着色汚れを付きやすくするため、鼻呼吸を心掛けましょう。
鼻が詰まっていて鼻呼吸できない場合は、耳鼻科を受診しましょう。
また、出っ歯などの歯並びが原因で口が閉じられない場合は、矯正歯科で相談してみましょう。
口を閉じる力が弱い場合は、お口の周りの筋肉を鍛えるトレーニング(あいうべ体操など)をするのも効果的です。
歯の矯正をする
歯並びが良くなると、楽に歯ブラシを当てることができ、キレイに歯を磨けるようになります。
また、出っ歯などの改善により口が閉じやすくなり鼻呼吸ができるようになると、唾液の洗浄作用が働き、着色しにくくなります。
毎食後に歯磨きをする
毎食後に歯磨きをすると、着色汚れを予防するだけでなく、虫歯や歯周病、口臭などの予防にもなります。
夕食後や就寝前の歯磨きなど、1日の最後にする歯磨きは、特に丁寧に行いましょう。
適切な歯ブラシ、歯磨き粉を使い、正しく歯磨きをする
適切な歯ブラシ、歯磨き粉については【自分で歯の着色汚れ(ステイン)を落とす歯磨きのポイント】をご参照ください。
着色汚れの予防としてオススメの歯磨き粉は、『アパガードリナメル ホームケアペースト』です。
ナノ粒子薬用ハイドロキシアパタイトが、歯の表面のミクロの傷を埋めてなめらかにしてくれるので、歯垢や着色汚れをつきにくくしてくれます。
※歯の主成分はハイドロキシアパタイト(エナメル質は97%がハイドロキシアパタイト)
また、エナメル質から溶け出したミネラルを補給し再石灰化することにより、歯の表面がツルツルになり、着色しにくくなります。
詳しくはこちらの動画をご覧ください。
着色汚れを浮かせてやさしく落とすPGE-8(マクロゴール400)・PVP(ポリビニルピロリドン)配合ですが、私個人的には着色を落とす効果はかなりマイルドに感じます。
私のオススメの使い方は、1日1回『Brilliant more W (ブリリアントモア ダブル)』で着色をすっきり落とし、あと2回は『アパガードリナメル ホームケアペースト』でトリートメントし、着色を予防するという方法です。(1日3回歯磨きする場合)
無色透明なうがい薬を使う
無色透明なうがい薬を使うか、うがい薬は控えて、ロイテリ菌やキシリトール配合のタブレットを舐めるのもオススメです。
保険の白い被せ物をセラミックに替える
セラミックは、保険の被せ物に比べて自然な仕上がりで、汚れが付きにくく、変色しにくい、という特徴があります。
まとめ
歯の着色汚れは誰にでも付きますが、着色しやすい飲食物やタバコを控えたり、適切なセルフケアを行うことで、ある程度予防できます。
また、お口の中を乾燥させないことも大切です。
すでに頑固に付いてしまった着色汚れは、歯医者さんでクリーニングしてもらいましょう。
歯並びが着色汚れの原因になっている場合は、矯正歯科で相談してみましょう。
当院では、歯並びの無料相談を行っております。
お気軽にご相談下さい。
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