投稿日:2024.6.17
TCH(歯牙接触癖)とは?
こんにちは!
横浜駅西口から徒歩3分の歯科矯正専門医院、横浜駅前歯科・矯正歯科です。
いつも当院のブログをご覧いただきありがとうございます☆
普段、上と下の歯は離れています。
口を閉じている状態だと、「上下の歯はくっついているのが普通」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。
お口が閉じていても、上下の歯はどこにも接触していないのが適切な状態なのです。
上と下の歯が触れるのは、食事や会話のときぐらいといわれていますが、それ以外のときにも上下の歯が触れあってしまっている方がいらっしゃいます。
無意識に歯を接触させるクセのことを、TCH(Tooth Contacting Habit:トゥース・コンタクティング・ハビット)といいます。
「歯牙接触癖」や「上下歯列接触癖」ともいわれている、お口のクセ・症状の一つです。
ですが、ただのクセと放置していると、さまざまなトラブルを招く恐れがあるので注意が必要です。
それでは、TCH(Tooth Contacting Habit・歯牙接触癖)は、お口にどのような影響を与えるのでしょうか。
今回は口元の緊張癖「TCH」についてお話します。
目次
TCH(Tooth Contacting Habit:歯牙接触癖)とは?
上下の歯が接触している時間は、1日平均17.5分といわれています。
1日のうち、9割以上の時間は上と下の歯が触れあっていないのが通常なのです。
ですが、会話や食事のとき以外でも長時間接触している状態の方がいらっしゃいます。
そのような状態のお口が、TCH(Tooth Contacting Habit:歯牙接触癖)です。
参照:J-STAGE「企業就労者の顎関節症症状に影響を及ぼす寄与因子の検討」
TCHの状態は、お口を閉じていても上下の歯が接していることで、口元に力が入り、筋肉が常に活動状態になっています。
その影響で、お口のさまざまなトラブルや、全身の不調につながることもあるのです。
TCHをしているのはどんなとき?
TCHをしているのは、緊張しているときや集中しているときが多いといわれています。
具体的には次のような場面です。
- 集中してパソコンなどの作業をしているとき
- ストレスを感じているとき
- 黙々と家事(料理や掃除)をしているとき
- テレビやゲームをしているとき
- 車の運転をしているとき
このように、毎日の日常生活の中でTCHを引き起こしているケースがあります。
TCHをしているかどうかセルフチェック
TCHは無意識のうちに行っていることなので、自分では気づいていない場合もあります。
ご自身でTCHをしているかどうかを、セルフチェックで確認してみましょう。
- 舌に歯の跡がつく
- 頬の内側に噛んだ跡の線がある
- 仕事の後に口元が疲れている
- 意識して上下の歯を離すと違和感がある
TCHは矯正治療に悪影響を与える
TCHは、お口にさまざまなトラブルを引き起こす恐れがありますが、矯正治療を行っている方に対しても悪影響を与えます。
どのような影響を及ぼすのでしょうか。
装置が外れやすい
歯と歯が接した状態が長く続いていると、装置同士が触れ合い、外れやすくなる恐れがあります。
何度も外れていると、治療がスムーズに進められなくなるリスクも考えられます。
痛みを感じやすくなる
TCHで歯にかかる力は、睡眠中に行う歯ぎしりのように強い力ではありません。
歯ぎしりは、瞬間的に自分の体重以上の強い力が歯にかかります。
それに対してTCHは、弱い力が長期間かかります。
弱いとはいえ、長い間、力がかかり続けることで、矯正中の歯に負担をかけることになり痛みを感じやすくなるのです。
スムーズに歯が動きにくくなる
矯正治療では、歯を前や後ろ、左右に動かします。
TCHでは、歯に垂直の力がかかるので、歯が固定されスムーズに動きにくくなる恐れがあります。
TCHが引き起こす5つのお口のトラブル
TCHが影響を与えるのは、矯正治療中のお口だけではありません。
そのほか、どのようなトラブルを引き起こすのでしょうか。
歯が割れる・欠ける
たとえ弱い力でも、継続的に歯に力がかかることで、その負担が積み重なり、歯が欠けたり割れたりするケースもあります。
知覚過敏
知覚過敏とは、冷たい食べものや飲みものがしみる症状をいいます。
上下の歯がすり合うことで歯の表面を覆っているエナメル質が摩耗し、知覚過敏を発症している可能性があるからです。
むし歯ではないのに歯が痛む場合は、知覚過敏を疑ってみましょう。
顎関節症
顎関節症とは、
- お口をあけると顎の関節周辺が痛い
- お口を開けにくい
- 顎の辺りで音がする
といった症状が出る顎の病気の一種です。
TCHを発症している方は、歯と顎に負担をかけ続けることで、顎関節症を引き起こすリスクがあります。
また、痛みを持っている顎関節症の方のうち、50~70%の方がTCHであるという報告もあります。
参照:J-STAGE「企業就労者の顎関節症症状に影響を及ぼす寄与因子の検討」
歯周病の悪化
歯周病は、細菌の感染で歯ぐきに炎症が起こる病気です。
悪化すると歯ぐきや歯を支えている骨が溶け、歯が抜けることもあり、日本人が歯を失う
原因の第一位となっています。
参照:厚生労働省e-ヘルスネット「歯の喪失の原因」
TCHは、歯周病の進行を早める原因になることがあります。
炎症を起こしている歯ぐきに、弱いながらも継続して力がかかることで、歯を支えている骨の負担が大きくなるのです。
その結果、歯周病が悪化することにつながる恐れがあります。
頭痛や肩こり
上下の歯が常に接触していると、口元にいつも力が入っていることになります。
それが軽い力でも長く続いていることが問題で、口元の筋肉の周辺にある肩や首、頭の筋肉まで疲労してしまいます。
その疲れは、頭痛や肩こりなどの不調を引き起こす恐れがあるのです。
TCHの治療法
TCHは無意識なクセなので、自分で自覚することが難しいかもしれません。
ですが、睡眠中に行う歯ぎしりとは違い、意識することで歯が接触していることに気づくことができます。
TCHの治療では、「認知行動療法」といわれる方法で症状の改善をめざします。
これは、「無意識で上下の歯を合わせている」ということを自覚し、気づいたら歯を離すことで習慣化されたTCHを意識させる方法です。
パソコンなど、集中してTCHを起こしてしまいそうな場所に「歯を離す」「口元をリラックスさせる」などのメモを貼るのも効果的です。
歯が接触していることに気づいたら、大きく深呼吸をして口元の緊張を緩和してあげましょう。
また、マウスピースを装着する治療をご提案することもあります。
顎の関節にかかる負担を軽減させたり、歯を摩耗から保護することが可能です。
口元のさまざまなお悩みは横浜駅前歯科・矯正歯科までご相談ください
上下の歯が触れ合うことで、口元に余分な力が入りさまざまな影響を引き起こすことがあります。
口元のさまざまなお悩みの原因がTCHである可能性もあります。
TCHは、矯正治療を行う際の妨げになることもあります。
スムーズに矯正治療を行うためにも、治療前にTCHの症状を改善しておくことをおすすめします。
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